テスターは、電気屋の必須アイテムとして過去から珍重されてきた。いまさら言うまでもないが、直流電圧はもとより交流電圧や直流電流、抵抗等の値を測定してくれる。逆に言うと、テスターの使い方も解らなくては電気屋のはしくれとしては恥ずかしい思いをするに違いない。
さらに、ブザーにより結線時の導通も知らせてくれる。テスターはオシロスコープと組み合わせて使うと、色々な測定や観測が実現できる。ここでは、2007年度の新人教育の一環で 「テスターの使い方を覚える」 と言う目標に基づいて、テスターの簡単測定方法を伝授する。ここで使うテスターは、ポータブルタイプのアナログテスターで 株式会社カスタム の CX-120B と言う丁度大きさは、たばこの箱程度のサイズである(写真1参照)。

1.操作つまみの説明
このテスターのつまみの配置を説明する( 写真2参照 )。
■DCVは、直流電圧を測定するレンジ。250V、50V、10V、9V、2.5V、1.5Vレンジが有る。測定対象に合わせたレンジで測定する。
■ACVは、交流電圧を測定するレンジ。500V、250V、50V、10Vレンジが有る。測定対象に合わせたレンジで測定する。
■DCmAは、直流電流を測定するレンジ。250mA、10mA、0.5mAレンジが有る。測定対象に合わせたレンジで測定する。
■Ωは、抵抗を測定するレンジ。×1000(1K)、×10レンジが有る。測定対象に合わせたレンジで測定する。
■その他、導通確認のためのブザーレンジが有る。

2.スケールの説明
■目盛りのスケールは、見にくいが写真3を参考に上から緑のスケールが抵抗、黒のスケールが直流電圧と電流、赤のスケールが交流電圧のようになっている。

3.実際の測定
1)抵抗を測定する
抵抗の測定は、今回10KΩの抵抗をテスターで測定する。
■始めに、0Ωの位置を合わせる。テスターの左横に調整用のADJつまみが有るのでテスターのプローブをショートしてADJつまみを回して0Ωに合わせる(写真4参照)。


■ターゲットの抵抗にプローブを合わせて測定する(写真5、写真6、写真7参照)。


■10の目盛り付近で有れば測定完了。
2)直流電圧を測定する
写真8 参照
■電圧のレンジを決める。
■マイナス側を回路中のアース側に付ける。
■プラス側をターゲットに付ける。
■目的の電圧値になってればOK。

3)直流電圧と電流の測定方法の違い
図1 参照
■閉回路中の直流電流を測定する場合に、気を付けなければならないことを図1に書いた。直流電圧を測定する場合は、図1の右側のように並列にテスターを入れることにより測定できるが、直流電流を測定する場合は、左側のように直列にテスターを入れなければ電流は測定できない。

4)交流電圧の測定方法
図2 参照
■一般家庭の屋内配線を例にとって図2のようにテスターを入れ測定する。解りきったことだが、交流なので+-は関係なし。

5)ブザーによる導通チェック
■テスターをブザーのレンジに合わせる。
■+と-のプローブをショートさせてブザーが鳴るかを調べる。
■ターゲットに当てて導通チェックを行う。
注:回路中の導通確認を行う場合には、必ず電源をOFFにしてから行うこと!
以上
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