Nature’s Linux 1.5 がリリースされた(2006年7月13日)。
ここ にプレリリース記事が載っている。ISOイメージもそこからダウンロード可能だ。旧バージョンからのアップグレード方法は、 ここ のリリースノートを参照するとよい。
当サイトでも以前書いた ネタ で Nature’s Linux(以降、n-linuxと呼ぶ) については詳しく説明している。GUI好きの人は多いと思う、むしろ好きというよりLinuxのインストーラ自体がGUIを標準インストールとしてる感がある。
コンソールとかCUIを嫌うのはもっともだとは思うが、Unixの技術者はGUIに慣れたらいけないと思う。使うのは良しとしてもGUIを使い慣れてCUIをおろそかにしてはいけない。CUIではGUI上で見えなかったファイルが見えたり、隠しファイルを編集したり、サービスの細かい設定を可能にする。ちょっと余談だったが、このn-linuxのインストールの簡単さには脱帽する。
何故簡単なのか、それはCUIを基本としてGUIを入れてないのである。つまり、「サーバ専用Linux」ワークステーションとしての利用は考えていない。何だか「俺のLinuxじゃん!」みたいな喜びさえ覚える。対話モードでアカウントとネットワークの設定以外は勝手にやっちゃってくれる。
isoイメージも百数十メガと非常にコンパクトだ。さらに、ここの ネタ で書いてるように構造的に「サンドエリア(砂場)」構造になっているので、とてもセキュアだ。
俺のサーバは砂場で動いてるのよん!CUIでサーバ構築の初歩的学習を兼ねてサーバを作るなら、n-linuxはうってつけのデスビではないかと思う。
さらに、このn-linuxにtomoyo linuxとかLIDSのようなアクセス制御系のセキュリティモジュールをプラグインすれば、非常に高いセキュリティ効果が得られるのではないだろうか。そんでもって、ここではNature’s Linux 1.5を新規にインストールする方法を説明してみたい。
1.一応旧バージョンから新バージョン(1.5)へのアップグレード方法
version 1.3.3 以下からのアップグレード方法は、以下の要領で簡単に出来る。
# apt-get update
modutilsを予めインストールする。
# apt-get install modutils
# apt-get dist-upgrade
カーネル2.6にしたいので、
# apt-get install kernel-image-2.6.16.24p1up
# reboot
2.version 1.5インストール
1) ISOイメージをゲットしてCDを作るここ からversion 1.5のISOイメージをゲットして、CDを作る。
2) ISOイメージの起動
ISOイメージのCDでブートする。すると図1のようなkernelの種類を選ぶメニューが出る。kernel2.6にしたいので「1」を選んだ。
3) VFS領域のバックアップ
図2では、VFS領域のバックアップを取るか否かのメニューが出る。ここでは、VFSのバックアップを取るので「2」を選んだ。
さらに、VFS領域のバックアップサイズをどのくらい取るかを聞いてきた。ここでは、「2048MB」とした。
4) 領域を確保してインストール開始
RFS領域設定。開発ツール及びライブラリのインストール。
ユーティリティ関係のインストール。
ネットワーク及びセキュリティツールのインストール。
VFS領域設定。
LILOのセットアップが終わって、rebootする。
5) 再起動
再起動すると、まずスクリーンサイズの設定画面が出る。自分の好みで選ぶ。ただし、対応していないサイズを選ばないこと。俺は、これをよくやってしまう。
図11は、スクリーンフォントのサイズを選ぶ。
6) 各種ユーザアカウント及びパスワードの設定
図12は、rootユーザのパスワードを設定する。
RFS領域のadminアカウント及びパスワードを設定する。
例 : ml-admin
図14は、RFS領域からVFS領域へスイッチするときのアカウントとパスワードの設定。
例 : vfs
図15は、VFS領域のユーザアカウントとパスワード設定。
図16は、以上で諸々のセットアップは終わりましたよメッセージ。
図16で「OK」を押したすると、図17のようなloginプロンプトが表示される。そして、ここからRFS領域のadminユーザ名を入れて、続けてパスワードを入力する。
7) ネットワークの設定
adminユーザアカウントを入力すると、図18のようなセットアップメニューが出てくる。1番のNetWorkを選択する。
次に、図19のようなNetWorkのメイン画面が出る。1番のSetを選択する。
図20のような画面が出るので、
Hostname
Gateway
DNS
を各設定する。
次に、図21のような画面が出るので、
IP-Address
Subnetmask
を各設定する。 それで、OKを押したして全てのインストールが終了となる。
3.インストール後の操作
1) vfs領域のrootユーザのパスワード設定
図22のようなRFS領域のlogin画面が出る。
次に、RFS領域にrootでloginして、
# chroot /vfs1
これで、vfs領域へrootでダイレクトにloginできる。次に以下を実行。
# passwd root
*********
*********
パスワードを設定する。
試しに、RFS領域のlogin画面に、「 vfs 」と入力して、さらにパスワードを入力してVFS領域にloginしてみる。
図24はコマンドラインから、
# ps -ef
を実行してプロセスを確認している。一応確認してみる。
2) システムのアップグレード
RFS領域とVFS領域共に、apt-getコマンドを使ってアップグレードを実行する。アップグレードは、以下の要領で行う。
[VFS-root@ml ~]# apt-get update
Hit ftp://packages.n-linux.com deb/ Packages
Get:1 ftp://packages.n-linux.com deb/ Release
Ign ftp://packages.n-linux.com deb/ Release
Hit ftp://packages.n-linux.com src/ Sources
Get:2 ftp://packages.n-linux.com src/ Release
Ign ftp://packages.n-linux.com src/ Release
Reading Package Lists… Done
[VFS-root@ml ~]# apt-get upgrade
Reading Package Lists… Done
Building Dependency Tree… Done
0 upgraded, 0 newly installed, 0 to remove and 0 not upgraded.
以上で更新情報があれば、システム及び各サービスのアップグレードが行える。上の場合は、upgradeを実行したが、更新が無かった。
3) カーネルのアップグレード
カーネルのアップグレード情報が有るか確認して、あればアップグレードする。
[VFS-root@ml ~]# uname -a
Linux ml 2.6.16.24p1up #1 Mon Aug 28 13:28:38 JST 2006 i686 i686 i386 GNU/Linux
[VFS-root@ml ~]# apt-get install kernel-image
Reading Package Lists… Done
Building Dependency Tree… Done
Package kernel-image is a virtual package provided by:
kernel-image-2.4.32p4up nl1
kernel-image-2.4.32p4up-nojail nl1
kernel-image-2.4.32p4smp nl1
kernel-image-2.4.32p4smp-nojail nl1
kernel-image-2.6.16.28p1up nl1
kernel-image-2.6.16.28p1smp nl1
kernel-image-2.4.33.2p1up nl1
kernel-image-2.4.33.2p1smp nl1
kernel-image-2.4.32p8up nl1
kernel-image-2.4.32p8smp nl1
kernel-image-2.6.16.27p1up nl1
kernel-image-2.6.16.27p1smp nl1
kernel-image-2.6.16.24p1up nl1
kernel-image-2.6.16.24p1smp nl1
kernel-image-2.6.16.20p1up nl1
kernel-image-2.6.16.20p1smp nl1
kernel-image-2.4.32p7up nl1
kernel-image-2.4.32p7smp nl1
kernel-image-2.4.32p6up nl1
kernel-image-2.4.32p6smp nl1
kernel-image-2.6.16.18p1up nl1
kernel-image-2.6.16.18p1smp nl1
kernel-image-2.6.16.16p1up nl1
kernel-image-2.6.16.16p1smp nl1
kernel-image-2.4.32p5up nl1
kernel-image-2.4.32p5smp nl1
You should explicitly select one to install.
E: Package kernel-image has no installation candidate
[VFS-root@ml ~]# apt-get install kernel-image-2.6.16.28p1up
[VFS-root@ml ~]# reboot
これで、やることは全て終わった。
以上
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