仕事の関係もあったが、個人的にSolaris8のintel版をインストールしてサーバを構築してみた。Linuxでは、かなりの経験があったが、実際にSolaris8をインストールしてみてとまどった点、また異なった点が注意点が多々あったので、それについて書いてみたい。実際のSolaris8インストール方法は、色々なサイトで紹介しているので書くつもりはないので、ご了解いただきたい。
1.インストール準備
1.1 ネットワークカード
ネットワークカードの選択には気を使った。何せ、リアルテックみたいに安いNICをサポートしていない。貧乏人には、非常に困る。
主に、サポートされているのは以下である。
● intel
● 3com
● AMD
● DEC
その他、まだあるが高級ネットワークカードばかりである。 正直少しふざけている。一体普及させる気があるのだろうか?
1.2 グラフィックカード
グラフィックカードもそうである。今現時点では解らないが、ほとんど最近のグラフィックカードはサポートしていない。
小生は、昔のMGAのミスティークが有ったので、それを使った。
Trio 64V+とかVargeなんかはバッチリで有る(笑)。
1.3 CPU
これも、気を付けた方がよい。全てとは言わないが、 intel互換チップ は危ない(K6-2でインストールしようとしたが、出来なかった)。
出来れば、intelの純正CPUをおすすめする。更に、 intel純正のチップセットを使用するのが望ましい。
2.インストール
2.1 解像度設定
インストール中に、解像度を設定するところがある。ここでは、VRAMの容量があるからと言って高解像度に設定しない方がよい。小生は、1024×768で設定した、この程度にしておいた方がよい。解像度や色数を上げるとカラー表示テストの時にこける可能性がある。
色数も、256色程度の設定にしておいて、インストール後に設定変更した方がよい。
2.2 ファイルシステムのディスクスライス
ファイルシステムの構成は、Linuxと少し違う。ディスクスライス構成する場合、以下のように分けると良いだろう!
① /(ルート)
② /usr/openwin
③ /var
④ /opt
⑤ /usr
⑥ /export/home
⑦ swap
①はご存じのルートパーティションである。
②はOpenWindow用のファイルを格納する領域である。かなり大きい固定領域を必要とする。
③はLinuxなどでおなじみのlogファイルやメールスプールの格納場所である。
④の/optは様々なアプリケーションを格納する場所である。Linuxの場合は、/usr領域になるがSolarisの場合、/optになる。しかし、ほとんどのアプリケーションが/usr/localを基準としているため、実際は、/usrディレクトリと/opt/localとシンボルリンクを張って運用する。
したがって、少し多めに容量確保しておいた方がよい。
⑤はUnixの標準的なプログラムを格納する。
⑥はユーザのホームディレクトリとなる。ここもLinuxとは異なっている。
⑦はご存じSwap領域である。
ここで、メニュー的にはオートとカスタムと言うのがあるが、カスタムで手動設定の方が無難である(小生が思うだけであるが)。
2.3 パッケージの追加/削除
LinuxやFreeBSDに独自のパッケージシステムがあるように、Solarisにも独自のパッケージの考え方が有る。パッケージの形式はいくつか有るが、ほとんどは、
make-3.78.1-sol8-intel-local-gz
のような形である。パッケージのインストールは以下の形で行う。
# gzip -d make-3.78.1-sol8-intel-local-gz
# pkgadd -d make-3.78.1-sol8-intel-local
として、インストールする。ちなみに、Linuxで言うrpmのような感じ!
ちなみに、パッケージのインストールされている物の確認は、
$ pkginfo
でインストールされているパッケージの一覧が表示される。長くなる場合は、
$ pkginfo | lessあるいはmore
パッケージを指定する場合は、
$ pkginfo | grep <パッケージ名>
さらに、/usr/include/stdio.hがどのパッケージに含まれているかを知るには、
$ pkgchk -l -p /usr/include/stdio.h
とする。
反対に、パッケージの削除は以下のコマンドで行う。
# pkgrm <パッケージ名>
3.再起動と終了コマンド
3.1 再起動
再起動と終了もそうだが、あらかじめsyncコマンドで、ディスク上に書き込まれずにメモリ上に保有しているデータを強制的にディスクに書き込む。Solarisの場合は、このコマンドを必ず3回発行して再起動もしくは終了コマンドを発行する。
再起動の場合は、
# sync
# sync
# sync
# shutdown -y -i6 -g0
あるいは、
# sync
# sync
# sync
# init 6
もしくは、
# sync
# sync
# sync
# reboot
3.2 終了(停止)
通常停止の場合、
# sync
# sync
# sync
# shutdown -y -i0 -g0
緊急停止の場合、
# sync
# sync
# sync
# init 5
もしくは、
# sync
# sync
# sync
# halt
4.コンソール操作
4.1 ユーザ管理
コンソール操作でユーザ管理を行う場合、Linuxではパラメータを省略できるが、Solarisの場合、Fullパラメータを指定する必要があるので注意する。ユーザIDは、100~60000迄を指定できる。また、グループIDも100~60000迄指定できる。ユーザ登録をする前に、以下のコマンドを実行して、passwdファイルを確認しよう。
# more /etc/passwd
ユーザ登録は、例えばyamadaというユーザを登録する場合、以下のようにする。尚、ユーザホームは/export/home内に作ることをが前提なので注意が必要である。
# useradd -u 1001 -g 101 -c users -d /export/home/yamada -m -s /bin/csh yamada
このように指定する。言い忘れたが、Solarisの場合、コンソールの標準シェルがCシェルを標準としてるので、bashを使いたい方はbashを別途インストールする必要がある。
登録ユーザの削除は、以下のコマンドで行う。
# userdel yamada
このとき、ユーザのホームディレクトリは残っているので削除を忘れないこと。
パスワードの入力と確認は以下のコマンドで行う。
# vipw
として、直接/etc/passwdや/etc/shadowを直接編集することも出来る。このほうが簡単かもしれない。
5.開発ツール
開発ツールは、インストール時に用意されているものは、基本的には使い物にならない。GNUのサイトからgcc、make、tar等の必要ツールをダウンしてきてインストする。ここがLinuxと違うところでもある。Linuxの場合、全て揃っているが・・・・。
パッケージのインストールは、pkgaddというコマンドでバイナリレベル(RPMのようなもの)のインストールは可能であるが、小生はコンパイルをお勧めする、
また、Solaris8は標準でCシェルで構成されている。Bashになれている人は、別途インストールが必要であろう。
6.起動時実行シェルスクリプト
Solaris8の起動時実行シェルスクリプトは、/etc/init.dに全て収められている。
Linuxの場合(RedHat系)は、/etc/rc.d/init.dに収められている。
例えばBINDの起動は、
# /etc/init.d/inetsvc start
停止の場合、
# /etc/init.d/inetsvc stop
このようになる。
7.環境設定
Linux、FreeBSDと違いSolarisはインストールした状態では、.profile及び.cshrcには環境変数が一つも設定されていない。
したがって、環境変数は手動で行わなければならない。以下のように、環境変数を追加する。
● csh系の場合(.cshrcに記述)
# vi ~/.cshrc
set path=( /opt/sfw/bin /usr/local/bin /usr/bin /usr/sbin /usr/openwin/bin /usr/dt/bin /usr/xpg4/bin
\ /usr/ccs/bin /usr/ucb)
● bash系の場合(.profileに記述)
# vi ~/.profile
PATH=/opt/sfw/bin:/usr/local/bin:/usr/bin:/usr/sbin:/usr/openwin/bin:/usr/dt/bin/usr/xpg4/bin:
\/usr/ccs/bin:/usr/ucb
export PATH
suコマンドでrootになった場合は、/etc/default/suを編集する。
SUPATH=/opt/sfw/bin:/usr/local/bin:/usr/bin:/usr/sbin:/usr/openwin/bin:/usr/dt/bin/usr/xpg4/bin:
\/usr/ccs/bin:/usr/ucb
以上
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