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CUPS Wrapperプリンタドライバのセットアップ!

昨今、Linuxからのプリントが非常にお手軽で 使いやすくなった。それは、CUPSと言うUnix専用プリンティングシステムが登場したからだ。CUPS(Common Unix Printing System)は、どうしてもWindowsの世界に遅れをとっていたUnixの印刷の障壁となっていた、メーカ 及び型式毎に独自に作っていたプリンタドライバー作りがCUPSが考案されてから比較的ドライバ作りが簡単になり、MacintoshやWindows向 けに販売されているプリンタのほとんどがUnixから利用できるようになった。これは、とにもかくにもWindowsキラーOSのLinuxとしては喜ば しいことである。
CUPSシステムが入ってるコンピュータは、クライアントから印刷ジョブを受け取るキューサーバとなり、ジョブを制御して目的のプリンタへ送信する。さら に、HTTPのBasic認証および Digest認証、ローカル認証、128ビットTLS/SSL暗号化等を使用することも可能である。そこで、ここではCUPSドライバのセットアップ方法 を伝授する。

CUPS インストール環境)
セットアップマシン:Mebiusノート Crusoe TM5600-600MHz
OS:Ubuntu Linux 6.10
プリンタ:Brother HL-2040(ネットワークプリンタ)
USBプリンタサーバのIPアドレス:192.168.3.2


1.ドライバーのゲット
ここ からLPRドライバとCUPS Wrapperドライバをダウンロードする。
UbuntuLinuxは、Debian互換なのでdebパッケージをダウンロードする。2007年2月現在のドライバのバージョンは、以下であった。

LPRドライバ : brhl2040lpr-2.0.0-1.i386.deb
CUPS Wrapperドライバ : cupswrapperHL2040-2.0.0-1.i386.deb


2.ドライバのインスコ
dpkgコマンドでドライバをインストールする。

1)LPRドライバのインスコ

# dpkg -i –force-all brhl2040lpr-2.0.0-1.i386.deb

2)CUPS Wrapperドライバのインスコ

# dpkg -i –force-all cupswrapperHL2040-2.0.0-1.i386.deb

※ cupswrapperドライバのインストール中にエラーが出た場合は・・・・。

# dpkg -i –force-all cupswrapperHL2040-2.0.1-2.i386.deb
未選択パッケージ cupswrapperhl2040 を選択しています。
(データベースを読み込んでいます … 現在 121387 個のファイルとディレクトリがインストールされています。)
(cupswrapperHL2040-2.0.1-2.i386.deb から) cupswrapperhl2040 を展開しています…
cupswrapperhl2040 (2.0.1-2) を設定しています …
/usr/local/Brother/cupswrapper/cupswrapperHL2040-2.0.1: 64: cannot create /usr/share/cups/model/HL2040.ppd: Directory nonexistent
* Restarting Common Unix Printing System: cupsd [ OK ]
cp: stat `/usr/share/cups/model/HL2040.ppd’を実行できません: No such file or directory
dpkg: cupswrapperhl2040 の処理中にエラーが発生しました (–install):
サブプロセス post-installation script はエラー終了ステータス 1 を返しました
以下のパッケージの処理中にエラーが発生しました:
cupswrapperhl2040

エラー発生!

解決策は、以下のようにディレクトリを作成する。

# mkdir /usr/share/cups/model

その後、もう一度挑戦!# dpkg -i –force-all cupswrapperHL2040-2.0.1-2.i386.deb
(データベースを読み込んでいます … 現在 121393 個のファイルとディレクトリがインストールされています。)
cupswrapperhl2040 2.0.1-2 を (cupswrapperHL2040-2.0.1-2.i386.deb で) 置換するための準備をしています …
* Restarting Common Unix Printing System: cupsd [ OK ]
cupswrapperhl2040 を展開し、置換しています…
cupswrapperhl2040 (2.0.1-2) を設定しています …
* Restarting Common Unix Printing System: cupsd [ OK ]

これでOK!出来たぁ~!


3.プリンタのセットアップ
1)プリンタCUPS画面の表示

お使いのブラウザから、

http://localhost:631/

へアクセスする。すると、図1のようなCUPSの ブラウザ画面が出る。

図1

2)プリンタの状態確認
次に「プリンタ」タブを選んで、HL2040プリンタが待機中状態 であるか確認する。

3)プリンタ設定
ネットワークプリンタサーバなので現状のプリンタの設定を変更・追加する。
「プリンタの変更」を選んで、内容を変更する。変更内容は、以下を参照。

■ 名前:HL2040
■ 場所:空白
■ 説明:HL2040

何も変更しないで、「続ける」を押す。

■ デバイス:LPD/LPR Host or Printer(Unknown)
これを選んで、「続ける」を押す。

■ デバイスURI:lpd://192.168.3.2/queue
こんな感じに記入する。「queue」の部分はlp1でもprt1でも何でも良い。「続ける」を押す。

■ メーカ:Brother
■ または PPD ファイルを提供して下さい:/usr/share/cups/model/HL2040.ppd

を選んで、「プリンタの変更」を押す。

これで、「正しく変更されまし た。」と表示されればOK!


4.テスト印刷

同じく、

http://localhost:631/printers/HL2040

から、「テストページの印刷」を 押してテスト印刷を行い、正常印刷を確認したら全てセットアップ完了。

ちなみに、テストページの印刷結果は図2のような ページが出力される。

図2

5.障害時の原因究明

プリンタ出力が出来なくなったときの、原因究明のためにログを吐き出すような設定を施して置いた方が何かと便利だ。
cupsの障害を知るには、 /etc/cups/cupsd.conf を変更して /var/log/cups/error_log でデバッグする。以下のように、LogLevelをdebugに変更する。

#
#
# Sample configuration file for the Common UNIX Printing System (CUPS)
# scheduler. See “man cupsd.conf” for a complete description of this
# file.
#

# Log general information in error_log – change “info” to “debug” for
# troubleshooting…

#LogLevel info
LogLevel debug

以下省略

その後、

# /etc/init.d/cupsys restart

でcupsデーモンを再起動する

以上

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